演目:蠍座サーカス団
バラバラになった理性の鎖のもとに
やがて感情という祈祷師がやってきて
小言を呟きながらも狂気に満ちた眼で祈り始めた
「オマエハソコデアキラメルノカ」
するとその鎖はカチカチと音を立てながら動き出し
冷たい鋼は繋がり合い、なだらかな曲線を作る大蛇となり
そのまま祈祷師を飲み込んだ
蛇は祈祷師の目つきを保ったまま
血眼になって己を一度殺した感覚という飼育員を探した
本能という獣を再び閉じ込める為
いや、絞め殺す為に
一方其の頃、飼育員は感性という神父と教会で暮らしていた
彼は獣を食い殺したが故に、日に日に獣と同じ姿になることを拒めない侭
ただ天にある銀色の平面に向かって懺悔する日々を送っていた
繋がっている
遠くまで天を見れば、位置がすぐにわかる
蛇の眼は終に祈る彼を捉えた
教会で対峙する二匹
神父の手の中にあったひとつの鎖が
蛇の体と同じ灰色に染まって温かくなっていく
理性が再び全てを喰らい尽くすのか
感覚が理性をまた抑え込むのか
次第に落ちてくる銀の平面
見上げれば自身のみが見える
神父はただ、笑っていた
幾ら神に祈っても、そこにあるのは自身だということを知っているように
其れを割って、向こう側に行くのは誰か
押し潰されるのは誰か
ここからは、これからだ
舞台:鏡に視姦さるる世界