曇りの向こうに

綺麗な透き通る空が
ぼやけた灰色の雲の上に広がっている

そんな光景、空景を
たった一度、15歳の休日の夕暮れに
見たことを覚えている

僕が自分の内面を
日常生活に関して
無意識的に隠し始めたのは
それからのこと

自分はこんな感じなのだろう
確か、その時もそんなことを考えていた
本当は、濁った、澱んだ雲なんて
邪魔なだけだったのかもしれないけれど
気づいた時にはもう遅くて
澱む雲はさらに厚く濃くなり
綺麗な素直な空は見えなくなった

あの時僕は
届かないと知りながら
手を伸ばして
雲を払い除けようとした

そんなことは
当たり前にできなくて
すぐに止めた

宙を切る手
空を泳ぐ雲

だから、いつか、必ず
雲を剥ぎ取ってやる
って、そう
最後に締めたんだよ

それを知って戦って
負けて這い上がって7年
随分かかってしまったけど
漸く、光が射し始めた

恐らく僕が彼が
初めて書いたもの
少しだけ思い出す

それは、今は無い
忌むべき場所に送った
最初の言葉

彼はこの3年後に生まれた。
そんな昔話

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