生きてるだけで幸せなんだろ?
悩みなんか無いんじゃないの?
開けっぴろげにした僕の本音の塊は
誰にも拾われることはなく
代わりに置いて行かれたのは
ひたすらの心ない言葉達
それは悪口の不法投棄で
捨てられた僕の中には
投げつけるだけ投げつけて
誰も二度と見向きもしない
汚い落書きの跡
ずっと
汚いものが嫌いだった
唯でさえ汚いと思っていた僕自身を
更に汚していく無秩序で無鉄砲な言葉
灰色の壁は汚い言葉で埋まり
幾ら擦ったところで
矢継ぎ早に飛び込んでくる次の言葉
汚れを落とすことを諦めたので
落書きの犯人達に
壁ごとぶつけることにした
かつて自らが投げた言葉を
そのままに投げ返すだけ
殴りつけたり
斬りつけたり
刺しこんだり
誰が用意した言葉だ?
何も悪くない
何も悪くない
愉しくなって今度は
自分でナイフを用意して
壁の中にこっそりと仕込んだ
そのナイフは素材の言葉をより鋭く研ぎ
壁に刻まれたその言葉達を
一つ一つ剥がしていった
壁は日に日に削られていく
いつしか
あれほど沢山あった落書きは殆ど消えて
残ったのは無数の傷跡
自分の刃で削った傷だけが目立った
少し気に食わなかったけど
まぁいいかと、そのまま続けて
ある日、壁が倒れた
削りすぎた壁は自らだけでは立つことはできず
埋め隠した刃が自らに刺さった
痛い と思った
それでも気付いたのは
落書きは壁だけにあったのではなく
もっとずっと深い場所
いよいよ、境界を失った
また僕は刃で繰り返すのか
否
「42℃のお題」より
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