また あしたね
わかんないのに
約束をする
あいたいから?
悔いのないように
あるところに
男の子と女の子がいました
その女の子は
一日の記憶を眠るときに全て忘れ
また翌日の記憶を一から描いて生きていました
その男の子は
女の子のことが大好きで
毎日女の子に会いに行っては
自己紹介から始めて
遊ぶ日々を繰り返していました
男の子には毎日
決めていることがありました
それは、別れる時に女の子に またね と言うこと
勿論、女の子の記憶は一日限りなので
翌日はまた はじめまして からのスタート
街の人々は少年を笑いました
意味のないことだ と
それでも彼は聞く耳を持たず
来る日も来る日も、少女と
はじめまして を繰り返しました。
ある日、彼は両目を失いました
彼女の姿を見ることはできませんが
足繁く通った道を忘れることはなく
彼女に会いに行きました
ある日、彼は両腕を失いました
彼女に触れることすら叶いませんが
それでも残った両足だけで
彼女の待つ場所に足を運び続けました
はじめまして
こんにちは
またあした
はじめまして
こんにちは
またあした
ある日、彼は
失いました
彼女は
ありがとう
こんにちは
また、あしたね
「42℃のお題」より
https//sos.eco.to/c/t/