無人と幽霊の時の朔上

演目:蠍座サーカス団

バラバラになった理性の鎖のもとに
やがて感情という祈祷師がやってきて
小言を呟きながらも狂気に満ちた眼で祈り始めた
「オマエハソコデアキラメルノカ」
するとその鎖はカチカチと音を立てながら動き出し
冷たい鋼は繋がり合い、なだらかな曲線を作る大蛇となり
そのまま祈祷師を飲み込んだ

蛇は祈祷師の目つきを保ったまま
血眼になって己を一度殺した感覚という飼育員を探した
本能という獣を再び閉じ込める為
いや、絞め殺す為に

一方其の頃、飼育員は感性という神父と教会で暮らしていた
彼は獣を食い殺したが故に、日に日に獣と同じ姿になることを拒めない侭
ただ天にある銀色の平面に向かって懺悔する日々を送っていた

繋がっている
遠くまで天を見れば、位置がすぐにわかる
蛇の眼は終に祈る彼を捉えた

教会で対峙する二匹
神父の手の中にあったひとつの鎖が
蛇の体と同じ灰色に染まって温かくなっていく

理性が再び全てを喰らい尽くすのか
感覚が理性をまた抑え込むのか

次第に落ちてくる銀の平面
見上げれば自身のみが見える

神父はただ、笑っていた
幾ら神に祈っても、そこにあるのは自身だということを知っているように

其れを割って、向こう側に行くのは誰か
押し潰されるのは誰か

ここからは、これからだ

舞台:鏡に視姦さるる世界

慰霊堂清掃奉仕

此処からは地獄で
此処までも地獄

17の時に死ぬ計画を立てても
16の時に夢を見ることに飽きても

それまで 愛してくれる?
それでも 愛してくれる?

哀しくなるほど晴れた
云わなくちゃ!
すぐ迎えに行くから

Happy Birthday!

慰霊堂清掃奉仕に行こうよ

慰霊堂清掃奉仕(Happy Birthday!)/Good Dog Happy Men

感覚的な音

序列化されたものは
もうたくさんだ

理性が感情を飼い慣らして
感覚と感性を喰おうとしていた

僕の場合
理性を抑える なんて
笑われることをしないといけないみたいで

感覚的な音を探したとき
throwcurveがすっと心に落ちてくる
そうか、此はこんな時に聞く
処方薬のようなものだと

不思議と
歌詞が入ってこない
音の流れだけを捕まえている

黙ってろよ理性
もうお前に支配されるのはうんざりなんだ

盲目死

言葉は刃物で
それは諸刃で
そのことを知らない人が多すぎる

当たり前だけど
痛いよ
でも、感じないようにはなりたくない
返り血を浴びて
自分の血と混ざって
それでも不適な笑みを浮かべて
立っていたいから

自分の刃が一番鋭くなればいい
そうすれば
自分を傷つけるのは自分だけになるから
研げ、研げ

僕がこれから欲しいのは
傷つけるための攻撃力ではなく
傷つかないための防御力だから

決断は自己責任
事故責任なんかではない
選んだならば、進むしかない
賭けたならば、躊躇う余地はない
傷つくことを畏れてはいけない

目を開けろ
選んだならば、それが前だ

立ち上がれ
一人で立たないと何もできない

歩き出せ
黒い闇はきみの気のせいだ

如何なる時も、繰り返すことを避けて
臆せずにあれ

目を瞑って見ない奴らの目は
開いて薬を流し込め
それでも無理なら潰してしまえ

後ろを向いて逃げる奴らは
手元の槍で投げ貫け

痛いのは無論だ
しかしそれを怖がっていてはいけない
そのうち痛みも快楽に変わる

何も感じなくなるのが
いちばんこわいんだもの

ゆき 雪 倖

自信はどこに行ったのかしら

遊び相手が
どんどん骨がなくなるって
どういうことかしら

昔の自分なんか見ても
対処法とか動向とか
全部解るし先読みできちゃって
つまらないこと この上ない

今は
姉がまた音信不通なのが
ただただ気掛かり

仕方がないけど
おやすみだ

壊れやすいほど

広がる翼は
太陽に焦げるって
僕は知っていた

何となく解ってはいるのだけど
僕は 忘れる という行為が酷く苦手で
大概の出来事は
会話の内容まで鮮明に記憶に残っている
本当に嫌と言うほどに

思い出したくないことでも
会話をした本人と話すと
頭の底から掃除機に吸い込まれるが如く
会話のピースが集まって
脳が洪水を起こして、窒息のような状態になる感じ

それが僕にとって
トラウマ的な記憶だった時は
立つのも辛いほどになることもあり
そこでちゃんと友好的な関係になれれば
大丈夫なのだけど

本当はもっと
忘れたいのだ
要らないことが多すぎて
効率が悪く感じる

今はそれが出来ないから
僕は僕を溺死させようとする記憶を
憎むことでしか僕を保てない

記憶には殺されたくない
洪水を押し返すか、波に乗るしかない
過去を気にするなと言われても
未だに鋭意努力中ではあるが
簡単にできれば苦労はしない

それでも
過去に縋るよりはずっとマシだと思う
僕の場合、過去に縋ってしまうと
過去を神様扱いしてしまう恐れがある

冷たい人とかよく言われるけど
とんでもない思い違いだなと思う
捨てたり諦めたりイカれてるとかいう人たちに
わざわざ気を遣うとか、僕に溺れ死ねと言ってるようなもの
何で記憶を消したいのに記憶を残そうとしなければいけないのか

姉さんみたいに
汚い記憶を綺麗にするために
関わってくれた人ならばともかく

大部分の人間は
自分に都合の良いように
僕の記憶を更に汚しに来る輩ばかりなので
そんなのに優しくするのはもう面倒だ

まぁ
それでも
好きと思える人たちもいるので
僕は幸せ者だと思います

まだまだとおい

一昨日だっけ

いつも通りフィッシュマンズを聞いて眠ったら
幽体離脱のような浮遊感を感じた
酷く興奮して落ちて飛んでいった

もしかすると、成仏するときはあんな感じなのかもしれない

姉さんが無事に帰ってきてくれて
何より嬉しい
一人酒をしておやすもう

この詩の最初に戻る

自分に付いていくのではなく
自分を付いてこさせる

出すぎた真似をしないように
舵を取れ
航路は決まっていなくて当たり前だ

自分の船の操縦くらいは
自分でできないといけない


もう少し自分を虐めてみるか
休みなんて無くていいや

追い込まれると
どうも愉しいし
調子も上がる

光と砂鉄による昨日の描写

演目:蠍座サーカス団

がんじがらめに縛り付けていた
理性の鎖を外すときが来た
そこには本能という獣を飼っていて
欲という餌を定期的に檻の隙間から与えて
暴れ出さないようにしていた

餌を与えるのは感覚という飼育員
彼は最初のうちは非常に怯えたまま
遠くから餌を投げ入れていたのだが
最近はどうもあの獣と何かあったのか
お互いを通わせているようだ

彼と向き合う時の
獣の瞳はとても澄んでいて
見つめ合い餌を与え続けるうちに
彼は獣の眼を通して自分を見る方法を知る

その姿は日に日に獣に近づいていた
眼、鼻、口、耳、骨
彼はそのことを悩んだが
不思議と苦しい気持ちはなかった
姿は似ても自我を失うことがなかったということと
自分の姿を見ることができたという嬉しさ

こうした彼の獣に対する感情は
嫌悪から受容へ
そして
受容から支配欲へと

そして彼は決意する
獣を閉じる鎖を外そうと
その場を壊すためではなく
自らの中にそれを取り入れる為に

互いを隔絶させていた理性の鎖が
錆びて軋んで赤銅色になった
それは獣の流す血の所為か
彼が吐き出す息の所為か

感覚が
本能を喰い殺して
自らに昇華させるとき

ぬかるみに足を入れる
戻れない

やがてそこに降ってきたものは
空を覆い尽くすほどの
銀色の眩しい平面だった

舞台:鏡のない世界

集中治療室

もっと色々なものに触れたい
音に言葉に
空気に

ただ楽しいだけでは、いけない
意味を見出しつつ
しかし総てに意味を求める必要はない
感覚から先行する楽しみを行い
意味づけるという作業を振り返るとき
意味が見つからないならば
純粋な楽しさがそこにはある証拠

僕は其れを愉しみと呼んでいる

もっと色々なものに触れたい
これは僕の感覚による
知的欲求というもの

自我を失わない程度に
本能のまま猿や豚にならないように
前よりずっと簡単に生きている

やりたいことを
好きなようにしている

殺されるほど
愛まれるように
憎されたいな