空飛ぶ人

仕事先から食パンを頂きました
一斤

凄く良い食パンなのは解っているのですが
明日の朝になったら納豆乗せて食べてる自分が容易に想像できてしまう

なゆたっないずっ!

bit by bitと
perfect nervousばっかり聞いてる今日

箱庭は小さすぎるから
操作しようと思っても
部品は掴めない
ピンセットなんて便利な物はない
それ以前に僕は、細工師ではないのだ

そんなことを考えながら
納豆を開いて
糸を一つづつ切っていくような
夢を見たくなった

鉄の風景

朝はとてもとても寒かったのに

この時間は暖かい

春は近づいてきている
とんでもない速さで
見ることもできないかもしれないくらい
とんでもない速さで

足元の美しいものを追っているうちに
桜が散ってしまいそうだ

それでも僕は、足元を見続けようと思う
今までそこにあったのに、見てこなかったものを
認めることから始めないといけない気がするから
季節は巡る、けど僕はこの場所にはもう二度とこないかもしれないから
日々の何気ない美しさを捕まえて、ただそれだけでいいのだ
十分すぎるのだ

日々のうた

馬鹿でも考えるんだ

考えないなら
体だけでもいいよな?
死んでることと変わんないでしょ

そういってあいつは、僕の心臓を持っていこうとしたんだ
それが怖くて、考え続けるのを今でもやめられない。
でもどこかで満足しているんだ、きっと

彼はそう呟いて、飲みかけだったコーヒーを置いた
向かいの席には誰もいなかった。

水中キャンプ

両腕が真っ赤に染まっていく

見ていられなくなって

水の中に飛び込んだ

ふん ふん と

鼻歌を歌いながら

さっきまでの赤が

ゆっくりと落ちていく

呼吸ができるようだ

音もちゃんと聞こえる

水の中じゃないみたい

笑いながら首を傾げた

あれ、戻せない

赤色はなくなっていく

腕以外何も見えない

水音もしない

あるのは自分の腕と声だけ

怖い

せめて赤く染まれ 染まれ 染まれ

ぷかぷか

いろいろ浮かべて
いい気分

今夜は本当
いい夜だ
書きたいことも
いっぱい出てくる

ベランダに出て
月を探す
うん、やっぱり満月だよ

散歩したくなっちゃうな
寒いからもう行かないけど
けど
もう少し起きていよう
寝るにはとても
勿体無い から

深呼吸の意味

何度目かの溜息を漏らして
僕はゆっくり指を一つ机に付いた
指に体重をかけて、痛くなるまで押さえつける
こうやっていつも目を覚ます
気が付くと時計は4時を指していた

ようやく
吐き出す作業は済んだ
それじゃあ今度は
吸い込む作業に移ろうか
空気の入れ替えだ

帰る場所はもう無いよ
焼けるも溺れるも君の勝手だ
扉を閉めた後に叫び声が聞こえた気がしたが
閉めた瞬間から扉の向こうはもう別の世界だ
少なくとも現在の僕には全く関係ない

方程式

こんなもの解けなくったって、将来何も困ることないじゃない
どうして勉強するの?何の役に立つの?これだったら私はもっと
他の事をやるわ。その方が絶対に役に立つもの、そう思わない?

そういって鉛筆を投げ出し
彼女は携帯を開いた

・・・昔

何?

・・・・いや、なんでもない

話しなさいよ

・・・・・人から理解を取り除いたら、何が残ると思う?

さぁ・・・身体?

それは除きすぎかな

じゃあ…何?

欲望・・・本能だよ
理解ってのは「理性を持って解る」ことなんだ
つまり理解しようとする意思はとても重要なんだよ
こんな陳腐な方程式でもそうだし、勿論人の意見でもね
勉強は理解の練習に過ぎない、そう思っていると楽なんじゃないか、少しは

・・・・

さて、じゃあもう一つ質問だけど

君はそれでも猿になりたいのかい?

彼女は鉛筆を握り直していた。

昔、僕が祖母にこれを言われたということは彼女に隠したまま
僕は授業を続けることにした。